
フトアゴヒゲトカゲとは?
フトアゴヒゲトカゲはオーストラリアの乾燥地帯に生息する中型のトカゲで、成長すると全長は40〜50cmほどになります。名前の由来となっている「ヒゲ」は、顎の下にあるとげ状の鱗を広げることで威嚇や意思表示をする習性からきています。
特徴的なのはその 温和な性格。爬虫類の中には臆病だったり攻撃的な種類も少なくありませんが、フトアゴは比較的おとなしく、人に慣れやすい傾向があります。飼育下でも手に乗せて散歩させたり、一緒にリビングでくつろぐ姿が見られることから「犬のようなトカゲ」と呼ばれることもあります。
フトアゴヒゲトカゲの魅力
- 人懐っこさ
個体差はありますが、多くのフトアゴは人の手を怖がらず、ハンドリングにも適しています。肩に乗ってじっとしてくれることもあり、触れ合える爬虫類として人気です。 - 豊かな表情と仕草
日光浴をして目を細めたり、前足を上下に振る「アームウェービング」という仕草を見せたり、非常にユニークな行動が多く観察できます。 - カラーバリエーション
ブリードが進んでおり、オレンジやイエロー、ホワイトなど多彩なモルフが存在します。自分の好みに合ったカラーを選べるのも魅力の一つです。 - 丈夫で飼いやすい
環境さえ整えれば丈夫で飼いやすく、初心者でも比較的安心して飼育できる点が大きなメリットです。
飼育に必要な環境
フトアゴヒゲトカゲを快適に飼育するには、自然環境を再現することが大切です。
- ケージのサイズ
成体になると体長が50cm近くなるため、幅80cm以上のケージが理想です。 - 照明と紫外線
フトアゴは日光浴をすることで体内でカルシウムを吸収します。そのため、紫外線ライト(UVBライト)は必須。さらに温度勾配をつくるためにバスキングライト(スポットライト)も設置します。 - 温度管理
ケージ内は暖かい場所(バスキングスポット:約40℃前後)と涼しい場所(約28℃前後)を作り、トカゲが自分で移動して体温を調節できるようにします。夜間は25℃程度を目安に保ちましょう。 - 床材
キッチンペーパー、ペットシーツなどが使いやすく、掃除も簡単です。砂を使用する場合は誤飲に注意が必要です。
食事と栄養管理
フトアゴヒゲトカゲは 雑食性 で、昆虫類と野菜をバランスよく食べます。
- 昆虫類
コオロギ、デュビア(ゴキブリの一種)、ミルワームなどが主食になります。成長期にはタンパク質が多く必要なので、昆虫を中心に与えます。 - 野菜・葉物
小松菜、チンゲン菜、カボチャ、ニンジンなどを刻んで与えます。カルシウムが豊富な葉物を中心にしましょう。 - サプリメント
カルシウム剤やビタミンD3を定期的に振りかけて与えることで、くる病などの骨の病気を予防できます。
成体になると昆虫よりも野菜の割合を多めにするのが理想です。
飼育で注意したいこと
- 温度・紫外線管理を怠らない
適切な環境を維持しないと、食欲不振や病気につながります。毎日のチェックは欠かせません。 - 誤飲に注意
床材を砂にしていると誤って口にしてしまい、腸閉塞を起こす危険があります。初心者には安全な床材をおすすめします。 - 過剰な昆虫給餌
脂肪分が多いミルワームなどを与えすぎると肥満の原因になります。バランスを意識しましょう。 - 冬眠(ブルーマ)への理解
環境によっては活動が低下し、食欲が落ちることがあります。健康状態を見極め、無理に食べさせないことも必要です。
一番伝えたいこと
設備にお金がかかり敷居が高いイメージがありますが、私が推奨している環境は生後3ヵ月までの間はホームセンターで販売している衣装ケースにバスキングライト・UVライトで問題ありません。生後3ヵ月の間に最終飼育用のケージを用意してあげることを推奨しています。
初期費用
生体費用5,000円~100万円 幅があるので除外します。
衣装ケース 60cm程度 1,000円
ライトクリップソケット 2,000円 ×2
UVライト 1,500円
バスキングライト 1,500円
水入れ 330円
エサ皿 110円
スレートプレート 220円
餌用ピンセット 1000円
温度計 110円
計9,770円
3ヵ月以内
ケージ代10,000~20,000円
計10,000~20,000円
私はメルカリで見つけたケージ屋さんに木製ケージを8,500円位で作成してもらっています。
月々かかる費用
コオロギ 300匹 3,000円/月
ダスティング剤関係 (1ヵ月では終わらないので大体) 200円/月
野菜類440円
床材 1,500円
総額5,140円/月
これ以外に電気代等がかかります。
これを高い!と思うか安い!と思うかは人それぞれだと思いますが、ガラスケージを用意して・・・と考えている方の予想金額よりは安く収まっているのではないでしょうか?
イベント等で設備が・・・と躊躇される方が結構いますが、ケージ代を除けばレオパやニシアフ等の飼いやすいヤモリと比較しても大きな差にはならないのではないかと考えています。
また、昆虫食から野菜にシフトしていく為、1年半以降に関してはコオロギ代は1/5程度に収まっていくと思います。
もちろんあったらいいものは他にもたくさんありますが、ペット飼育をする上で費用を抑えることは長期飼育できる環境作る上で重要なことだと考えています。
皆さん工夫してペット飼育を長期的に楽しんでいただければなと思います。