
爬虫類の世界には個性的なヤモリが数多く存在します。その中でも、オーストラリア南部原産のアンダーウッディーサウルス ミリー(Underwoodisaurus milii)は、愛らしい姿と丈夫さで人気を集めるヤモリです。小型〜中型の地表性ヤモリで、夜行性の性格や観察しやすさから、初心者から上級者まで幅広く飼育されています。今回は、アンダーウッディーサウルスの特徴や生態、飼育方法を詳しくご紹介します。
アンダーウッディーサウルスとは?
アンダーウッディーサウルスは、体長20cm前後の小型〜中型ヤモリです。尾は太く丸みを帯びており、栄養を蓄える役割があります。体色は茶褐色やオリーブ系の地色に、白や黄色の斑点が入り、個体によって模様が異なるため、一匹一匹の個性が楽しめます。
夜行性で、昼間は岩陰や木の根元などに隠れ、夜になると昆虫を捕食するために活動を始めます。性格は比較的穏やかで、人前でもストレスをかけなければ観察が可能です。また、尾は危険を感じると自切することがありますが、再生は可能です。
生息地と習性
アンダーウッディーサウルスはオーストラリア南部やビクトリア州、タスマニアなどの乾燥地帯や林床に分布します。地表性で潜る習性があり、砂地や落ち葉の下で隠れるのが得意です。野生では主に昆虫を食べ、コオロギや甲虫、クモ類などを捕食します。
夜間の活動が中心で、明るい光を嫌うため飼育下では夜の観察が特に楽しい種です。
飼育環境
ケージ
アンダーウッディーサウルスは地表性ヤモリなので、横幅のあるケージが適しています。40cmクラスのガラス水槽や爬虫類用ケージが最適です。複数飼育も可能ですが、成体は単独で飼育した方がストレスが少なくなります。
床材
自然環境を再現するため、デザートソイル、赤玉土、砂と土の混合床材が向いています。潜る習性があるため、床材は厚め(5cm以上)に敷くことをおすすめします。
温度管理
適正温度は以下の通りです。
- ホットスポット:30℃前後
- クールエリア:25℃前後
- 夜間:23℃前後
温度勾配を作ることで、ヤモリ自身が自由に体温調整できる環境を整えます。
シェルターと湿度
乾燥地帯に生息する種ですが、脱皮不全防止のためにウェットシェルターは必須です。加えて乾燥した隠れ家を複数設置すると、より自然に近い環境を再現できます。湿度は40〜60%程度が理想です。
餌と給餌方法
主食は昆虫で、コオロギ、デュビア、ミルワーム、レッドローチなどを与えます。昆虫には必ずカルシウムパウダーをまぶし、週に1〜2回はビタミン剤も使用すると栄養バランスが整います。
給餌頻度は、
- 幼体:毎日
- 成体:2〜3日に一度
が目安です。個体差があるため、体型や糞の状態を観察しながら調整しましょう。
繁殖
アンダーウッディーサウルスは飼育下での繁殖も比較的容易です。繁殖期は春〜夏で、メスは1回に1〜2個の卵を産みます。卵は湿ったバーミキュライトなどに埋め、26〜28℃で約2か月前後管理すると孵化します。
孵化したベビーは非常に小さく繊細ですが、ショウジョウバエやピンヘッドコオロギなど細かい餌を与えることで順調に育ちます。ベビー時は脱皮不全になりやすいため、湿度管理に注意してください。
アンダーウッディーサウルスの魅力
このヤモリの魅力は、何と言っても愛らしい姿と丈夫さです。大きな瞳、太く丸い尾、個性的な斑点模様は観賞していて飽きることがありません。夜行性のため、昼間は隠れていますが、夜に活発に動く姿を観察するのは非常に楽しいです。
比較的丈夫で飼育しやすく、流通量も安定しているため、初心者から上級者まで幅広く楽しめるヤモリです。
まとめ
アンダーウッディーサウルス(Underwoodisaurus milii)は、オーストラリア南部原産の地表性ヤモリで、可愛らしい見た目と飼育のしやすさが魅力です。適切な温度・湿度管理と栄養バランスの整った餌を与えれば、長期にわたり健康に飼育できます。
愛らしい姿と個性的な斑点模様を観察する楽しさは格別で、爬虫類初心者からコレクターまで、多くの飼育者におすすめできるヤモリです。